甘い生活

ビューティフル・ヒューマン・ライフ

花火、散る。

1月22日、俺の誕生日。彼女が予約してくれたお店でご飯を食べたが、
いつも通り会話も盛り上がらず、2月に予定していた旅行も
「転職活動に集中したいから」という理由で中止になり、
次の週に会う約束も「飲みが入った」と中止になった。

もうダメだ、と思い新宿駅のホームで「本当に俺のことが好きかわかんない…」
とクソダッサ涙目チンカスメンヘラムーブをかます

1月27日。「今後のことについて話がしたい」という彼女。
内容には察しがついていたから、
gionやスタバなど、若者が多い店には絶対に行きたくなくて、
阿佐ヶ谷駅すぐそばのカフェ・ド・ウィングで話をした。

別れた理由として「部屋が整頓されてなさすぎた。人が来るのにこんな感じなんだ…」
というのをまっさきに言われた。

正直俺なりには片づけたつもりだったけど、かなり待たせた上にちょっと妥協した時があって、
確かにそれが最後のお家デートだったりする。

「優しくて、いい意味で普通だったから付き合った」と言っていた。
それは付き合ってからもギャップは無かったと。

『いい意味で普通』という表現に少し引っかかりを覚えつつ、
「2年前だったら違ってたかも…」と涙ぐむ彼女を前に、それ以上言葉が出てこなかった。
『まあ人は悪くないけど結婚相手にするのは無理』って感じだろうか?

正直敗因は枚挙にいとまが無いが、たぶん、部屋の事は本質的な理由じゃない気がする。
会話も全然弾まなかったし、そもそも合わなかったのは前提にある。

顔(と、バディ)がすこぶるタイプだったうえ、
まだ自分が好きな状態で別れを告げられるのがこの歳にして初めてだったので、
すげえ痛かったのと、32歳にして2ヵ月でフラれる自分に焦りを感じた。
これは人生で一回は経験しとくべき痛みだと自分に言い聞かせつつ。

彼女から受け取った、彼女の部屋に置いていた物の中に
前の貸した中島らもの『僕が踏まれた町と僕が踏んだ町』が入っていて
なんとなくだけど、絶対読んでないだろうなと思った。

寝巻は彼女が使っていた香水の匂いがしっかり付いていて、
本当に昨日まで着ないでたまに嗅いでいた。スーハースーハー!

と、いうのが今回の別れについての話である。

正直行き詰ってしまったので、
会社の先輩と昔同棲した元カノ・たまちゃんにそれぞれ相談した。


▼先輩のアドバイス
確かに数年前に比べるとマジで大人になったと思う。
でも、キモいことをしない、とか防御力がめちゃくちゃ上がった代わりに
なんかこう、イマイチ個性というか特徴が無くなった気がする。

もっと攻撃力を上げた方がいい。仕事めちゃくちゃ頑張るとか。

▼たまちゃんのアドバイス
(再開したマッチングアプリのプロフィールを見せて)
あ、こりゃフラれるわ。笑
こんなの学生時代から普通にイケてる人のプロフィールじゃん。
でもあなた普通じゃないじゃん。イケてる人が持ってるキラキラした魅力も無いし。
多分、今回の子も普通にいい人を求めてたけど、
結局はなんか違う、ってなったんじゃないかな?

もっと本当の自分を見せた方がいいよ。
私が付き合ってた時は「青い春」のイメージだったなあ。
暗い映画を語ってるところとか、面白くて好きだったよ。

今はなんかそこそこおしゃれになったね。
アローズのシャツを買って嬉々として語るところとかも可愛かったけどね笑

(「5%ずつ個性出していく」、と言う俺に)
無理無理。自分では5%と思ってるかもしれないけど、
多分それ50%ぐらい出てるよ笑


二人が言ってることを無理やりつなげると
「もっと自分にしかない魅力を出した方がいい」ということだと思っている。

今まではどうにかして”普通に見せよう”と精一杯だった。
でもバカでシンプルに頭の回転悪いところとか、
めちゃくちゃだらしないところとか、仕事頑張り切れてないとか、
うわっつらなkindnessとか、はりぼての”普通”は最終的には看破されてしまう。

それが分かっても、まあこの人と一緒にいてもいいかなと思える魅力…
親しみやすさだけは誰にも負けない自信がある。でも全然足りない。

とりあえず、ちゃんと部屋を片付けて、
目の前の仕事に集中するしかないのかもしれない。