甘い生活

ビューティフル・ヒューマン・ライフ

花火じゃなくて

2023年11月18日、彼女ができた。5月からの苦節半年…マッチングアプリを再開した俺は、たくさんの女性に会い、また数え切れないほどのトライアンドエラーを繰り返した。
好意を持っていた女性との約束を、仕事でドタキャンして連絡が取れなくなり、へこむこともあった。
二軒目誘おうと思ったら、先に会計が済まされていてそそくさと帰られたこともあった。
好意を持たれているのはわかるけど、良い人だけど、五回会っても心が燃えねえ時もあった。

初めて会った日、新宿で、俺が店の予約をできていなかったという大ポカを「おもろい」と彼女は言ってくれた。

2回目、調布で飲んだ時、彼女がべろべろに酔っ払ってトイレでパンツ脱いだまま寝てる姿を見て、俺は「おもろい」と思った。
酔っ払ってるのをいいことに、手を繋いで家の近くまで送った。

3回目、昔苦い経験のある谷根千を楽しい記憶で塗り替えたくて、デート先に選んだ。本当に楽しく飲み歩いて、その帰りに「俺は⚪︎さんのこと好きだし、付き合いたいと思ってるよ」と伝えた。
彼女はうなずいていたけど返事はなかった。

帰りの電車の中で「イルミネーションを見に行きたい」と言われて、大手町で降りて東京駅まで歩いて向かった。イルミネーションはすごく綺麗だった。
押せ押せ!と思って、「俺、好きな人とこうしてイルミネーション見るの初めてだ」と伝えた。

しばらく無言で歩いたあと、「私、猫被ってるし、すごくわがままなところがあるし、頑固なところもあるよ」と言われた。「俺だって猫被ってるし、同じだよ。どんなに良い人でも最初から全てさらけ出せるわけじゃないし、それをするのは違うと思う」と伝えた。

彼女は酒飲みで、仕事が今すごく大変で、夜遅くに退勤しては毎日お酒を飲んでいるという。
中央線新宿行きの東京駅のホームで、もう一押ししようと思って、「Nさんが毎日お酒飲まなくてもいいように、俺がアルコール笑、みたいな…顔見たらほっとできるような…リラックスできる存在になりたいです」と伝えた。
「じゃあ…よろしくお願いします」とはにかんだ笑顔で了承の言葉を伝えてもらった。
嬉しかった。

新宿駅に着いて「せっかくなのでもう一軒飲みに行きませんか?」と提案され、もちろんと快諾した。
思い出横丁のそのお店でもう一度「よろしくお願いします。結婚を前提に付き合いたいと思ってます」と伝えた。喜んでくれた。

「たぶん、俺らはお互いに足りないところがたくさんあるけど、許し合って生きていきたいね、でも、二人で堕落するんじゃなくちゃんとしていきたいね」という話をした。

来週は高円寺で飲み歩きの予定。
12月の頭の平日にディズニーシーに行くことになった。
クリスマスは俺が店選びをする予定だ。

ひしひしと嬉しい。綺麗だけど、大きく打ち上がってすぐに消えてしまう花火ではなくて、ちゃんと今、この胸に確かに灯った火を大切に育てていきたい。