甘い生活

ビューティフル・ヒューマン・ライフ

俺が童貞を拗らせた話 前編

それは大学一年生の秋に差し掛かったある日のこと

俺が撮影で使ったカメラを使いたいということで、最寄り駅に同じ映画サークルの女(以下A)が来た
そのまま帰るのも味気ない、ということで二人で飲むことになった

二時間くらい飲んだだろうか、二人ともかなり酔っぱらっていたのを覚えている
突然、Aが身を乗り出して俺にキスをしてきた
しかも深いやつだ

俺のファーストキスはあっけなく奪われることになった
思い切り店員にも見られていた・・・酒の酔いによる勢いもあってそのまま絡み合いながら俺の部屋に向かった

部屋に着くなり、また激しくお互いの口を貪り合った
ディープキスはこんなにも気持ちいいものなのか、もうずっとしていたいそんな状態
一度中断したかと思うと突然「ずっと○○でオナニーしてた・・・」と言われた 

思春期にオカズにされていたことを公言される童貞は少ないだろう
少し萎えた

二人は服を脱いだ
俺はおっぱいを揉み、しゃぶった なんてったって初めてのおっぱい・・・男ならわかるだろうあの興奮
これがか・・・!浪人時代、病みMAX時に妹が寝てる間に服の上からこっそり触って以来だった 生身は初めてだった
サメ肌だったのを覚えている うっすらと生えている産毛が嫌だった
でも、もうどうでもよかった

途中でAが「喉が渇いた」と言ったので俺は冷蔵庫からペットボトルのお茶を取り出し、Aに口移しで飲ませた
この時の俺は完全にどうかしていた 猿だった トランス状態を越えた何かの境地に達していた でないと口移しなんてできない

またしばらくの間弄り合い、そして浪人時代にいつかの時のためにと買っておいたコンドームを持ち出した
買っててよかった、とわずかに残った人間の部分で安堵した

装着いざ挿入、と思ったときにAが拒んだ 
「最後はダメ」
「なんで?もういいじゃん、ここまできたら」
「Mくんがいるから・・・」
「いや・・・もうよくね」
「ごめん、口で抜いてあげるから・・・」

MくんとはAが付き合っている同じサークルの先輩のことである
正直もうそんなのはどこかに吹っ飛んでいたから、その名前を出されたときに少し冷静になった
その上本気で拒んでくるので俺は、諦めた

かくして俺の童貞は「結果的に」守られることとなった

Aのフェラは上手かった 超絶技巧だった おそらくMさんに仕込まれたのだろう 「ジュッポジュッポ」と豪快に繰り出されるその卑猥な音に歴史を感じた

イキそうでイけなかった
なんかもう自暴自棄になっていたので「もういいや」と言って横で一人でシコって抜いた
「ひどい」だかなんだが言われた記憶があるが、そこまでやっといて入れさせないお前も十分酷いと思うよ

その後もしばらくずっとディープキスをしていた

やがて朝になった

酒も抜けて冷静になり、微妙に気まずい空気だった Aは着替えてそそくさと帰っていった

部屋にはAの忘れていった片方の靴下と、カーペットにしみ込んだAの大量のゲロが残された

ゲロを片づけながら俺はもう二度とこんな思いはしないと誓った
猿になった自分を思い出すと吐き気がした
汚れてしまったと思った
ART-SCHOOLにハマった

それからAとまともに話すまでに一年半かかった
最悪だったのはAが他の友人に、股間から白い泡が出てきた話をしているのを聞いてしまったことだ
本当に嫌な気分になった 最低だった マジで死にたかった・・・

あなたの近くにも「こいつとは絶対にやらない」という人がいるはずだ、それが俺にとってはAだ

この話は去年の時点ではブログにすら書きたくないような話だった 口の軽い俺が大学の友人に4年間も話していなかったことだ
友人のちょっと言ってはいけない秘密をばらしてしまって、本気で焦ってそれと引き換えに心の奥底にしまっておいたこの話を解禁したのだ
それくらい本当に言いたくなかった 「Aとかよ・・・」と思われるのが目に見えていたからだ
一回話してからはどうでもよくなって皆に話してしまった

嫌なやつではない、でも清潔感が無い
どうしてあいつと・・・という後悔が消えなかった

その後ブスのサークラもどきが明らかにセックス目的で俺の部屋に来るという事件があり(回避)、心底クソビッチに嫌気がさした

やがて、初めてのセックスでは今度は好きな子か、可愛い子とセックスしようという強い気持ちが生まれた
その気持ちは俺を長い間苦しめることになった

そして俺の童貞はある女の子の出現によってより決定的な物になる

後編へ続く