甘い生活

ビューティフル・ヒューマン・ライフ

ハイスクール短歌

あの角を右に曲がれば思い出の第一志望 左に曲がる

偏差値の高い奴から降りていく男鹿線電車の歩みは遅く

3両の席取り試合 野球部よチームワークをそこで使うな

1限をサボり階段裏でするぷよぷよ15連鎖達成

ジャングルと形容をした教室でたった一人の人間だった

爆音の銀杏BOYZ 突っ伏してボロの防空壕に逃げ込む

「うるさいのわかってるけどイヤホンは取れ」外したら失笑が刺す

「あいつらを殺したいです」担任は「どうすることもできない」と言う

「本当は教師なんかになりたくはなかった」俺に言うなよ鎌田

保健室 オナニーをした二回した今しかできないことがしたくて

県一の進学校に忍び込み嗅いだ女テニのタオルの匂い

「もう二度と連絡しないでください」と言ったあの娘のパンチラで抜く

「ディフェンスがヤバい」と女子が口々に叫んだ瞬間だけの青春

体育祭抜けて駆け出せ 笹原とJK物のAVを観る

「D組のマミコが昨日公園のトイレでヤッた」知りたくもなし

後ろから見れば女子高生であり透けた水色の鮮やかさ

半年で辞めたバスケ部 物理室から見る背中に夕陽が差して

「いつかこのくだらぬ日々も意味になる」意味があったか今もわからぬ

あの頃に戻りたいとか言う奴は気が触れている 日が暮れていく