甘い生活

ビューティフル・ヒューマン・ライフ

「童貞。をプロデュース」について

童貞。をプロデュース」は俺が「東京に出たい」と強く思うようになったきっかけの映画だった。
10年前、高1の時にこの映画のタイトルとあらすじを知って、こんなに面白そうなのに東京まで行かないと観れないのかよ、と田舎に住んでいることを呪った。
その後念願の東京の大学に入って2年目、上映がかかるという話を聞き、映画好きで童貞の先輩たちを誘い渋谷まで観に行った。あんなに映画館で爆笑することはもう無いだろうというくらいみんなで腹を抱えて爆笑した。
当時童貞で彼氏持ちで美人の女の子に片想いしていた俺は加賀さんに死ぬほど共感して笑い、偶像崇拝をしてしまう梅澤さんの人間臭さを自分と重ねて笑った。

そしてさっきニコニコ動画YouTubeに上げられていた、映画「童貞。をプロデュース」の舞台挨拶の一部始終を観た。
加賀さんのブログ、梅澤さんのツイート、松江監督の当時のブログ記事も読んだ。

劇中、確かに嫌がっている様には見えたけど、10年経って舞台上でパンツ脱いで「しゃぶれよ」って本気で怒鳴るまで屈辱を味わっているとは考えてもいなかった。加賀さんが言う「リテラシー」について考えさせられたし、最近よく「なんでそんなに上から目線なの?」と指摘される俺にとって、「相手目線に立って考えること」の重要性を改めて感じさせられた。
加賀さんの言う「面白ければ何でも良いのかよ」という言葉や松江監督が今回指摘されていることは俺にとっても当てはまるし、これから絶対に直していかないといけない部分だ。これを言ったりやってしまったりすると相手にとって傷ついたり不快な思いをさせるという想像力を努力でこれから補っていかなくちゃいけない。

それにしても、自分がどうして怒っているのかを理路整然と伝えつつ激昂する加賀さんは、最高にロックだった。(劇中に出てくる片想いの女の子との恋がその後成就したこと含めて)まさか結末があんなことになるとは思わなかったけれど、そこまでひっくるめて他のどんな映画よりも濃い映画体験だった。