甘い生活

ビューティフル・ヒューマン・ライフ

イケメンを演じる

昨日、相変わらずうだうだと一日を終えようとしている深夜1時過ぎに友人から連絡が来た。「駅にナンパしに行かない?」
誘いに乗った。シャワーを浴び、髪をセットして深夜の駅前に繰り出たが水曜日の夜と言うこともあり、めぼしい女性はいなかった。
ターゲットは二人組だったが、今日はあまりにも人が少なすぎるということで友人が馴染みのあるバーへ向かった。

友人はtinderでよく女の子と出会っているのでその話を聞いた。
俺が前に駅前で知り合いと飲んでいるときも、同じ飲み屋にたまたまそいつがいた。その時に一緒に飲んでた可愛い子はやはりtinderで出会った子だった。
俺が見た時は大きそうに見えなかったが、脱がせたらFカップだったらしい。本当に羨ましい。
正直彼女がいるのになんでそんなに女と遊ぶんだと妬む気持が依然からあったけど、大学を卒業して友人と会う機会も減り、彼女は好きだけど一年も経てばマンネリ化する。そんな中で「ネタが拾える」「刺激になる」そういう言い訳だった。創作で生きて行こうとしている人間なのでまあなるほどと思った。村上龍も多分やりまくってるし。俺もライターとかを目指すなら俄然ネタを増やしたいし、ヤるしかないなと思ってtinderのアドバイスを貰った。

でその後そいつがタバコ買いに行ったついでに女の子まで拾ってきた。正直あんまり顔は可愛くなかったが、頼んだらパンツを見せてくれて驚いた。
店を出た後、友人の家が自転車で10分以上かかるということで、歩いていける距離の俺の家で二次会をやることになった。なんという急展開。
途中でLineが来たと思ったら友人から「今日やるぞ」と一言来ていたので「おう」と返事をした。
マンションのロビーで少し待ってもらって部屋を片づけたが、俺の部屋の最大の欠点はカーテンが無いことだった。

二人が入ってきてやはり整理整頓がされていない点とカーテンが無い点を指摘された。「カーテンあったら全然やってた」とさえ言われてしまった。
飲んで色々話したが、女の子はグロ動画が好きだったり、初体験がレイプだったりクラブで40人位の男と寝ていたりカフェを経営したりと色々破天荒だった。の割にまだ21歳なので末恐ろしい。
で、俺がトイレに立ち戻っている間に二人は俺のベッドの上でキスしていた。友人に誘われるがままに俺も女の子の隣に座ったが、させて貰えなかった。
スムーズに事を進めることが出来ない。恥ずかしくて顔を覆ったりしてしまう。「おいおい、てめえはそんな軽い感じにやれるタイプの人間だったか?滑稽じゃねえか?」ともう一人の自分が語りかけてくる。そういった雰囲気が女の子に伝わってしまうのだ。
「見た目もかっこいいし、部屋もちゃんとしたら良い感じだし全然モテると思う。でもたくさん話しちゃうと、なんだろう重いっていうか・・・」いつもの感じだ。ヘラっと恥ずかしさを出してしまうこと。全部口に出して言ってしまうこと。これの二つが女の子を途方も無く萎えさせてしまうのだろう。
なんだかんだいって添い寝まではさせて貰うことができたので一歩前進とする。

女の子が帰り、友人と反省会を行った。
日曜日にtinderで知り合った女の子と飲むので、今回の反省を活かして「イケメンを演じる」という挑戦をすることになった。
その日一日は俺はイケメンとして存在する。ずっとモテなくて、冴えなくて、仕事も上手くいかない俺はこの世に存在しない。
仕事に関してはもうライターをやっていて、軌道に乗っているという設定で行く。なんなら嘘を本当にしてしまえばいい。
あとは自分のことを必要に語らないこと。語るのはブログだけで十分だ。
で、最大の課題は「ホテルに誘う」ということ。友人曰くtinderで出会った女は十中八九やれるらしい。これに関しては以前新宿で飲んだ大学の先輩を誘い損ねた時の反省も活かしたい。誘わない方が失礼だということもあるのだと。失敗してもそれが糧になるはず。
イケメンを演じる。ホテルに誘う。この大きなハードルをクリアして素敵な30歳、リリーフランキーのような肩の力が抜けた中年を目指していく。