甘い生活

ビューティフル・ヒューマン・ライフ

そうなりたいって思うことってきっと大事なことだよ

物凄くふわっとした理由でライターをやりたいと思っている。
ライターをやっている自分は好きになれそうだし、文章を書くのは好きだし、書いたものをたまに褒められたりもするから、なら仕事にするのが一番良いんじゃないかという安易な発想だ。
単純作業や肉体労働から営業、頭脳労働まで全て苦手な上興味も持てない俺にとって「これならできるかもしれない」という仕事が今のところライターと囲碁インストラクターだけだ。
囲碁インストラクターで完全に食っていくのも考えているが、やりたいやってみたいと心の底から思うのはライターだ。
ただ、正社員として雇用されることの難しさは求人を見ていてもわかる。ほぼ全てが経験者採用。
未経験採用で、かつ正社員を募集している会社はパッと探しただけだと、以前採用を貰ったスピリチュアル系のブラック企業一社のみだ。

だから迷っていた。ライターだと安定が難しい。
俺は彼女が欲しい。結婚がしたい。だから安定した収入とある程度の社会的地位が必要だと感じていた。
Tinderで職業を聞かれて、無職とは言えないからこの前囲碁のバイトをしたこともあり「囲碁インストラクターです」と返信したらマッチングそのものが消滅していた。ライターのバイトしてます、でも一緒のことだろう。

でも、雇用形態に拘るのはもう良いかな、と思った。
行きつけの飲み屋の店主にやりたいことをやれと言われた。続けているうちに何かあると。
友人に言われた。女のことを第一に考えて生きるのはもう辞めろと。
何か努力している中で、副次的に、運良く得られる、それくらいに考えとけと。
その通りだ、と思った。
幾多のトライ&エラーを重ねたが、学生の時とはもう違う。まずやるべきことを始めなくちゃいけない。
その次に恋愛を置きたい。
今はイルミの針を抜いたキルアの様な気持ちだ。

とにかく文章に関われるバイトでもなんでも始めようと思う。
以前働いていた病院のバイトリーダーから、うちに戻ってこないかという連絡があったが戻るのは辞めた。
楽だけど、それだけだ。

やりたくないことを無理にやることは無理で無駄ということが五か月間で分かった。
行きつけの飲み屋のおばちゃんに、能力が低いせいで周囲の風当たりが強くなりこれまで何度もバイト、仕事を辞めてしまったことをくどくどと話したら、お前がだめなのは能力の低さじゃなくて、それにかまけて一生懸命やろうとしないことだと言われた。いい加減謙虚になれと。刺さった。
「所詮アルバイト」「どうせいつかは辞める」そういう腰掛意識を消すためにも、もうこれしかないと思える仕事をやるしかないと思う。これなら一生懸命になれそうだということを。
やりたいことを一生懸命やっていれば、出会うべき人たちや出会いたい人たちに会えると思う。

「そうなりたいって思うことってきっと大事なことだよ」 『銀のエンゼルよしもとよしとも