甘い生活

ビューティフル・ヒューマン・ライフ

童貞の俺に性病疑惑が出た話

 それを発見した瞬間を俺は今でもはっきりと記憶している。中2の冬、ばあちゃんちのトイレでチャックを下し、何気なく自分のブツを眺めた。
「!?」衝撃が全身に走った。亀の頭の先っぽにぷっくりと水ぶくれのようなものが出来ている。何だこれは。
 それから数か月誰にも言えず俺は悩んでいた。ネットでググってもよくわからない。性病なのか。俺はまだ何も世界を知らないというのに。死ぬほど悩み、忘れ、悩み、それを繰り返した。
 ある日一念発起し、両親に話した。父親に話したがよくわからないので病院へ行って来いという。
 中三の春に泌尿器科に言った。病名はよく覚えてないが、どうやら体質によるものらしく似たような症状の人は良くいるそうだ。若い看護師の目の前でブツを見せ、ジジイに触られ、とにかく最低だった。麻酔注射を打って切除した。手術は本当に恐怖そのものだったが、そんなに痛みは感じなかった。よかった、これでもう悩みとはおさらばだ。傷が癒えるまで毎日軟膏を塗って、いつの日か傷跡も無くなって綺麗になっていた。
 
 数か月後。「!?」あの水ぶくれがまたそこにあった。同じ医者に行ってもう一度切除した。
 高校生になったある日「!???」またそこに水ぶくれが現れた。俺は童貞でしかもちんこの先に水ぶくれがあるなんてハンディキャップを背負ってこれから生き続けなくちゃいけないのか・・・と暗澹たる気分になった。
 そこから必死にネットで調べていたらレーザー手術という方法を発見した。しかし治療費が5万。俺はもし彼女がこの先出来たらその時にこの方法を試そうと思った。
 そこから俺と水ぶくれのチンチン三脚が始まった。中学の修学旅行ではまだ恥ずかしかったのでひたすら隠した。高校の修学旅行の時、こっそり教えていた二人の同級生に風呂場で強制大開脚をさせられ、白日の下に晒されることとなった。そこからは開き直って先々で仲良くなった人に「俺先っぽにデキモノがあるんだよね」と言って見せるようになった。みんな「うおっ!?」とか「えー!!!」とか思い思いのリアクションをしてくれるので、それが楽しかった。いつの日か水ぶくれを愛おしいと思えるようにさえなった。ピンサロ嬢だって気にしてなかった。俺はこれと共に生きていこう。共に歩もう。この水ぶくれを許容してくれるような女の子と付き合えばいい、そう思うようになった。
 
 なんやかんやで俺と水ぶくれは共に八年もの時を過ごしていたが、大学三年生の冬、俺は勢いで頭を丸めた。頭ツルツルになったその勢いで水ぶくれを取って亀頭ツルツルにしたくなった。
 もう東京にいるんだから名医のいる泌尿器科へ行こうかなと思ったが、とりあえず、と思って近所の泌尿器科に行った。
「ああ、~(病名忘れた)ですねえ。一週間後また来てください。恐らく一時間も経たずに終わると思いますよ~」
「でもすごくお金とかかかりますよね・・・?」
「いえ、せいぜい2000円位ですね」
「えっ!?でも、なんか痕とか残ったら怖いですし、あと痛みとかも怖いです」
「麻酔注射あるでしょ?でもあれやらなくてもいいんですよ、麻酔シールってのがあって。それ貼れば麻酔かかるんで。で、切除したらもう再発しないように電気でバチバチっと焼くんですね。痕もほとんど残らないので安心して良いですよ~」
「あ、そうなんですね、じゃあやります!」
 一週間後、俺は長年連れ添った水ぶくれとお別れをした。記念に写メを撮った。今でも大事に保存してある。
 医者の言った通り痛みもそれほど酷くなかった。術後の状態はかなりグロかったので記念に写メを撮った。今でも大事に保存してある。これを見せると「え!?」とかいうレベルじゃなくて「うわっ!!!」「やめろお前マジで」とかガチなリアクションが返ってくるのでそれもそれでまた楽しい。
 これで彼女が出来てももう全然オッケーだなと思ってるんだが、使う機会が無いのが悲しい。

kaorubunko.hatenablog.com
 しばらく前に読んだんだけど、この人の話の主人公が完全に俺だったのでかなり驚いた。童貞なのにイボがある設定とか。それで友達に尖圭コンジローマ扱いされたし他人の精液に触れるだけでエイズが怖くなる気持ちめっちゃわかる。一回ピンサロ行っただけでしばらく俺もエイズノイローゼになった。
 とにかく怖いぐらいにリンクしてる。是非読んでみて欲しい。

今日は誕生日だから自分のルーツについて語ってみた