茶店で本に没頭してんのに、いちいちボフッて横一列のソファー寄りかかってくる女のせいでこっちにまでめっちゃ振動が伝わって来て俺だけの世界が破られてしまう
器が小さいから耐えられない
話してる内容も「斎藤さんうちらにビビってる感あるよね」「はあマジだるいし」
高校の時の声デケェ女子大体こんな感じだったな
顔見てねぇけど多分可愛くない俺のセンサーがそう言ってる
高校時代思い返すと本当に可愛かったの、半年だけ在部してたバスケ部のマネージャーだけだ
望美さん今何してるんだろう
フジファブリックのCDを親友の雅人君には貸してくれたのに俺に貸すのは拒否した図書館の司書さんにそれでもなんとか無理やり頼み込んで一期生から全ての卒アルを出してもらって女の子全員に目を通したけど、やっぱり望美さんが一番可愛かった
高三の時半年しか在部してなかったのにも関わらず街で偶然会った時に光る笑顔でちゃんと名前呼んでくれたのとか、そういう一つ一つのかけがえのない思い出をくれるんだ、素敵な女の子は、向こうがたまたま覚えてたとかそういうのでいい、俺がいい気持ちになれればそれで十分なんだ
