Lily Chou-Chou - Glide リリイ・シュシュ- グライド - YouTube
一番好きな映画は何か、と聞かれたらこの映画を真っ先に挙げることにしている。
ある種のマイナス系人間にはスタンダードであるこの映画は、初めて俺に「本当の映画体験」というものをさせてくれた。
小学生の時に初めて映画館で観た劇場版ドラえもんとかのドキドキ感とかそういう感動も素晴らしかったのかもしれないけど、
リリイ・シュシュがくれたそれはなんか禍々しくて、すげえ透明で綺麗で、心を鈍器で殴ってくるような衝撃だった。始めて観たのが高校一年生だったっていうのもタイミングが良かった。
田園風景が印象的な映画だった。実家の目の前に広がるのどかな田んぼとは全く違っていた。
手ぶれでゆらゆらと蠢く映像、そこに立つ市原隼人と忍成修吾の危うい存在感、リリイ・シュシュが放つ気怠い歌声、夕暮れの空みたいな音楽が混ざり合って、暴力的に美しかった。
美しさって言うのは儚さとか悲しみっていう成分が含まれて成立するものだと思う。岩井俊二はそういう部分を見事に掬い取ってた。
この映画を観たことで、映画というものにそのものに興味を持ったので、そういう意味でも本当に特別な映画だ。
ipodにリリイシュシュは入ってて、今でもたまに聴く。Salyuと同一人物だと知った時は驚いたなあ。
それにしても今の市原隼人を見ると、あの頃に戻って欲しいと思ってしまうのは俺だけだろうか。